

秋吉茂氏のルポルタージュは、ペーソスがありユーモアがあり、男の憂えと怒りがあり。最も正確な報道文でありながら、優れた小説の持つ面白さを備えている =海音寺潮五郎=
文学碑制作 石彫家 半田富久
「美女とネズミと神々の島」秋吉 茂 著
悪石島は鹿児島の300キロ南方沖に浮かぶトカラ列島のひとつ。「美女とネズミと神々の島」はその悪石島で暮らした一カ月間のルポルタージュで、昭和35年に朝日新聞の人気シリーズ『底辺に生きる』の連載コラムで、南海の孤島の様子は朝日新聞に10回に亘って連載され大反響になった。貧窮する島の様子は、この本によって全国に広く知られることになりました。当時、朝日新聞西部本社に在籍していた氏は、実に38時間をかけて島に渡ったそうです。「美女とネズミと神々の島」はその後加筆・編集して単行本化したものです。「日本エッセイストクラブ賞」受賞した秋吉茂氏は2003年4月に逝去。2005年8月20日に行われた文学碑除幕式には、夫人の美代子氏、子息の潮氏、故人の盟友で碑を建立した石彫家・半田富久氏が出席しました。
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